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プライマリ・ケア講習会「診療所(プライマリ・ケア)救急」開催報告

3/16(土)熊谷市・JR熊谷駅直結ティアラ21 ハートピア会議室にて2回目のプライマリ・ケア講習会を開催しました。この講習会はプライマリ・ケアの現場で働くスタッフが「明日から実践したい」を目的に参加者が主体的に学ぶことを目的にしています。
1回目の「小児予防接種」に続く第2弾は「診療所(プライマリ・ケア)救急」です。

診療所での救急は簡単か?

救急に不慣れなスタッフ、最小限の検査機器、普通の中に隠れている危険をいかに探し当てるか・・・実は診療所での急変・救急対応は想像以上に難しいと思われます。めったに出会わないことなので、実際に起こってしまうと現場の多くは混乱し、対応に苦慮することが多いと思われます。
救急病院の対応とは明らかに違う「診療所救急」。今回は東京医科大学病院 総合診療科の遠井敬大先生を講師に迎え、看護師5名、事務4名、医師3名の参加で行われました。

遠井先生は現在、熊谷生協病院で非常勤医師として外来・在宅診療を担当しています。

救急の基本:バイタルサインとトリアージ

今回は看護師さん、事務さんの参加がメインのため、まずは救急現場の基本バイタルサインとトリアージについて遠井先生からレクチャーをしてもらいました。バイタルサイン”ABCDE+痛み”について、看護師さんは普段のチェック方法を再確認し、事務さんは新しい知識として習得し、事務でもバイタルサインは確認できるということを知りました。
また、待合室で患者さんが急変した時のトリアージの手順・行動について説明を受けました。頭ではわかっていても実際に行動できるかは、参加者が各現場でシミュレーションすることが必要であると説明を受け、次のステップとして参加者が現場で訓練を実施することが課題としてあがりました。

救急という緊張した現場のお話ではありましたが、参加者からは時折笑顔も見られ、楽しく・有意義な学びの時間となりました

診療所(プライマリ・ケア)救急で大切なのは・・・

最後に遠井先生からのTake home message を頂きました。
・救急疾患をマネジメントするのも大切だが、そもそも救急搬送が多い場合は急変する前に問題があることが多い
・予防、事前介入は診療所(プライマリ・ケア現場)の役割
・後方病院の救急医にとって診療所医療のイメージはついていない。後方病院のスタッフとの顔の見える関係構築を!コミュニケーションが大切
・実は診療所での急変対応・救急対応は想像以上に難しい事であるという認識を持ち、現場で繰り返しシミュレーションすることが必要

【参加者の感想から】

☆後方病院との情報共有、ルール作り、訓練を現場スタッフと一緒に実践したい(医師)
☆トリアージなど医師では常識と考えられている内容が他職種ではそうでもないという認識があるということがわかった。職種に合わせたレクチャーや実践が必要である(医師)
☆緊急の高いもののみつけ方を教えてもらい実践に生かせると思った(看護師)
☆低体温時の対応や医師への報告する時のポイントがとても参考になりました。他の職種のスタッフも知っていると役立つことなので伝達したいと思います(看護師)
☆救急対応と聞いて起こってからの対応をイメージしていたが、おちいる前の早期発見の視点が診療所には大切なんだと認識を改めました(事務)
☆事前アンケートを踏まえた内容だったので、とても分かりやすく実践的だった。事務ができること・役割などを具体的に教えていただいたので、今後の業務に役立てたいと思った(事務)
☆とてもとても勉強になりました。基本的なバイタルサインの見方など、とても重要なことなので看護師の研修等でも開催していただけるとありがたいです。病院ではよくある学習会でも、小さな事業所でもなかなかできないことなので、とても有意義な時間でした。

身近なテーマを多職種で学ぶ

SGFAMプライマリ・ケア講習会は現場で起こる(起こりうる)身近なテーマを多職種参加で学ぶことに意味があると考えています。専門家の理論と経験豊かな実践を交流し、繰り返し学び続けることでプライマリ・ケア現場で働くスタッフのケアの向上を目指しています。
「こんなことを学びたい」というテーマを募集します。これからも、多くの皆さんと学べる時間を大切にできればと思います。
遠井先生はじめ、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

皆さんが現場で今回の学びを共有してくれることを期待します!

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