SGFAM さいたま総合診療医・家庭医センター

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研修施設紹介①「秩父生協病院」

みんながイキイキと活躍する病院~秩父生協病院~

12:45待合室には15人ほどの患者さんが座っています。

診察終了後の会計を待つ方、薬局からの薬を待つ方。年齢は70才位の方が多いでしょうか。。。

ここは秩父生協病院です。医療生協さいたま さいたま総合診療医・家庭医センター(通称:SGFAM えすじーふぁむ)の研修施設になります。基幹病院の埼玉協同病院からは一番遠い研修施設になりますが、ここも埼玉県の地域医療を担う重要な拠点病院となっています。

(秩父生協病院のご案内はこちらのサイトからどうぞ http://www.chichibu-ch.or.jp/a04/a04_01.html

玄関の回転ドアから続く待合室には大きな窓が正面にあり、明るい光の入る待合室になっています。

大きな窓の前にはソファーが並び、ココロンも座っています。

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秩父生協病院医は現在、1名の家庭医療後期研修医が在籍しています。院長はじめ指導医の先生方と一緒に日々の診療に取り組んでいます。この日はセンター長の関口医師の診療日にもなっていました。

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研修医が学ぶ環境には多くの病院スタッフの協力が必要です。今回はチームで医療を行うことを体現している秩父生協病院のメディカルスタッフの方にインタビューをしてみました。

 

外来看護の場では「患者さんの生活を“キャッチ”する、患者さんの心を“キャッチ”する」

秩父生協病院 看護師(外来看護)大山浩子さん(以下大山Ns)

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○外来看護の業務の流れを教えて下さい

【大山Ns】私は外来勤務になったのが今年の4月からでした。それまでは病棟勤務でした。

外来勤務はそんなに長くはないのですけど、病棟と違って直接患者さんと接したりとか、電話かけで直接お話を伺って状態を確認したりとか、患者さんと関わることが増えたかなと思います。

業務の流れとしては、朝は結構早くから、患者さんが待っていますね(笑) 8時前位から待っている方がいますね。リハビリに来ている方とか、注射をする方とかは、朝一番に来て、受付をして一番で呼ばれるのを待っています。皆さん、ホントに早いです(笑)

その後、予診が8:30から始まって、先生方の診察も同時に始まります。胃カメラの日はよしんと胃カメラの準備が同時進行なるので、結構、朝バタバタしていますね。

 

 

○胃カメラもここで予約しているのですか?

【大山Ns】そうですね。週に2回。月曜日が2人、水曜日は10人から11人。先生が上手みたいで、痛みも苦しさもほとんどなくて、先生いなくなったらどうしよう(笑)

でも、患者さんもとても上手と言っていて、検査に来られる方が多いです。評判がよいみたいです。

高齢の方も胃カメラ検査をしますよ。70歳代、80歳代、90歳代のかたも稀に。ちょっとびっくりしますけどね。

 

○でも高齢の方がカメラをやっても安心というのは医師はじめスタッフの方々の雰囲気や対応がよいのでしょうね。

【大山Ns】そうですね。患者さんもすごくよく話してくれるし、外来の雰囲気がいいんだと思います。

 

○雰囲気の良い外来をつくっている大山さんは看護師として患者さんとのやり取りの中で心がけている事はどんなことですか?

【大山Ns】一番は親身になって聴くということですかね。先生の診察では、たくさんの患者さん診るので、どうしても時間がとれなくて、ゆっくりお話を聴けることはないので。ですから、看護師として診察以外の時間でゆっくり話を聴いたりしています。

けっこう、話を聴いていくと、見えなかった日常生活の困った事とかが出てきたりとかするんです。やっぱりこう、なんだろな、病気の人に疾患のことを聞かなきゃいけない時もあるんだけど、それ以外の日常生活のところも、あえて聴いていく必要があるのかなと思っています。

齢が高いと、病気のことだけではなく、家族の事で困っていたりとかするんです。患者さんの「困っている」という言葉から外来受診につなげたりというのがあるので。

患者さんって、家族って、意外と言わなかったりするんですよね、来院して自分の病気はこれだから、病気の事だけ言って終わり、というのはあるんですけど。日常生活で困っていても、そこは聞かれないと言わないってことがやっぱりあるんです。患者さんの背景も含めて把握できるような、お話できるような声かけができるといいかなと思っています。

 

○聞いたお話とかを他のスタッフとか医師とかと話をする機会だったりとか、うまく橋渡しをすることもしているんですね。

【大山Ns】そうですね。私たち看護師がお話を聴いて気になる患者さんについては、外来の合間に声かけをしたりしています。診察が終わって、病院内にいない患者さんについては病棟まで行って先生に声かけをして情報を共有したりとかしています。

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スタッフ間では、毎日外来が終わってからミニカンファレンスをして、気になった患者さんの情報を共有したりします。担当した看護師だけ知っていても外来ってまわらないですね。みんなが知ってないと。「あっ、この患者さんカンファレンスの人だ」っていうのが気づかないんですよ。

あと、フロアカンファレンスというのもあって、検査科、医事課、看護と多職種でのカンファレンスを月に2回くらい行っていて、ここは患者さんの方針を立てられるような話し合いをしています。(外来スタッフでの共有事項を決める)

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○検査技師さんがカンファレンスに参加するのは素晴らしいですね。どんな感じになるのですか?

【大山Ns】この間は、検査の方から、「この患者さんずっと異常値で来ているとどうなの?」という話がありました。やはり色々な職種の目が入るというのは大事かなと思います。ひとつの職種だと、そこだけ見て気づきづらいところとかも、他の職種からの指摘で気付いたり。重要と思えたりできるので。

後は意外に、検査の方から患者さんの年齢を聞いたら、実年齢が違っていたりとか(笑)

その事なんかは、やはり高齢の患者さんが多いので認知症のこととかひっかかってくるので、やっぱり、いろんなところから情報がくるといいなと思います。

 

○OTのスタッフさんが、病院内の多職種との連携ができていると言ってました。外来スタッフの連携も実践され、スタッフの皆さんの実感となっているんですね。

【大山Ns】そうですね。まだまだやり始めたばかりですが、すこしでも情報が重なって、つながっていくといいなと思っています。

 

○学生実習にこのような体験を取り入れたりしていますか?

【大山Ns】うまく、日程時間があえばカンファレンスにも参加してもらったり、予診に入ってもらったり、栄養相談などにも同席してもらうこともあります。

先日は夜間に受診していた方で糖尿病のコントロールがうまくいかない人に栄養相談を受けてもらうために日中の時間帯の受診を医師から進めてもらい、栄養相談につなげた様子を見学してもらったこともありました。しかも、その時、ひとりで来ていたけど、奥さんに電話をしてすぐ来てもらって、一緒に指導を受けてもらったという経過でした。夜間外来でキャッチして、夜間から日中の栄養相談にうまくつなげられ、家族もキャッチできた例だと思います。

なかなか家族の方がその場で連絡してすぐに来れることはないので。

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○いいですね、日常的に顔の見える多職種連携ができるということは。“キャッチ”するっていいですね。看護師さんらしいフレーズだと思います。

【大山Ns】キャッチする(笑)―外来ではすごく大事なことだと思います。病棟にいると家に帰すまでの関わりはするけれど、そこから先が実際、自分の関わりが患者さんの日常生活に活きているのかとかがわからなかったけど、外来にいると実際に生活している人との関わりなので、こういうときってどうなっているのかなと病棟で考えていたことが外来の場で知れるのかなと思います。

 

○医師が患者さんをまるごと診ること、看護師さんにはどのように映りますか?

【大山Ns】秩父生協病院の先生は患者さんの背景をよく聞いてくださります。家族の事とか、仕事の事とか、一日どう過ごしているとか。なので、何度か来ている患者さんのことは診察前に医師と相談ができて、一定の方針とかも話せるのがよいです。

以前に来院した、認知症の旦那さんと奥さんの話なのですが、奥さんの方が困っていたんです。付きっきりで見ていなくてはならないし、旦那さんは外に出たがらないし。介護保険も申請していなくてという家族でした。

奥さんがとても困っていたので、何とかしなくてはと思って、旦那さんの認知症の治療と介護サービスをどのように介入していけばよいかを診察前、事前に先生と話しをし、一定の方針を決めて対応することが出来ました。医師に相談する事と併せて、看護師の視点から提案もできるという、よい関係性の中で診療ができていると思います。

 

 

○将来、地域医療の現場で働きたいと思っている医学生、看護学生の皆さんにメッセージをお願します。

【大山Ns】患者さんの背景をしっかり知ることからかなと思います。その人によって環境は違うし、その人によって同じ状況でも声かけの仕方だったりとか、聴き方だったりとかも違いますし。患者さんによってはスタッフの誰から伝えれば、うまく伝わるとか、そういうことも知らなくてはならないと思うんです。言い方とかで患者さんの様子がすごく変わってくることもあり、うまくいくこともうまくいかないこともあるんです。だけど、一番は患者さんのことを考えるので、患者さん自身が問題を解消できるかをみんなで一緒に、多職種で話し合いをして方針を決めて対応していかないと、というのを実感しています。

院内の多職種との協力はもちろんだけど、訪問看護とか訪問ヘルパーさん、もちろん患者さんや家族とも。やっぱりそのつながりをきらずに一緒に診ていく。中心は患者さんであるということを忘れないでほしいと思います。

 

○都内での勤務と秩父地域での違いはありますか?

【大山Ns】すごく違うなと思います。一番は地域と密着している。すごく関わりが深い。患者さんや地域との関わりが密着している。連携という意味でもいろんな職種が関わっていて、「顔が見えるん」ですよね。この患者さんと関わている介護スタッフがこの患者さんとも繋がっていて、顔のわからない状態で患者さんの事を話すことがない。ホントの意味で「顔がみえる」関係ができていると思います。

 

○秩父のいいところはどんなとこですか?

【大山Ns】

こどもがいるので、秩父生協病院近くのミューズパークは良くいきます。

秩父はどこにいっても自然がいっぱいなので(笑)

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大山さんの看護師としての視点は「患者さん家族の困っていることは何かをキャッチすること」そして、「患者さんを中心に顔の見えるスタッフ連携でケアをしていくこと」。

秩父地域における看護師として、なくてはならない看護の視点を学ばせていただきました。

大山さん、お忙しい中ありがとうございました。

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